AOKIホールディングス、Google Workspace と Gemini と Chromebook で実現する、新時代のワークスタイル変革

Google Cloud Japan Team
ファッション、エンターテイメント、アニヴェルセル・ブライダル事業を展開する AOKIホールディングス。多様な事業展開を支える従業員間のコミュニケーション基盤の構築、さらにお客様の声を迅速にビジネスへ反映させる仕組みづくりは、同社の成長戦略において重要な課題でした。AOKI ホールディングスは Google Workspace、Chromebook に加え、Google Workspace with Gemini を導入。これにより、社内コミュニケーションの活性化や業務効率化、そして顧客体験の向上といった大きな成果をあげています。本記事では、AOKIホールディングスにおける Google Workspace、Chromebook 、Gemini の活用事例とその導入効果について AOKIホールディングス デジタルサービス推進部 次長の渡邊氏と、同部課長の橘川氏にお話を伺いました。
利用しているサービス:Google Workspace, Google Workspace with Gemini, Chromebook
多様な事業展開におけるコミュニケーション基盤の構築
AOKIホールディングスでは、グループ会社にまたがる約 5,000 名のコミュニケーション基盤を、Google Workspace に統一しました。
元々は事業会社ごとに異なるグループウェアを利用しており、その形態も SaaS 、オンプレミス、レンタルサーバーとさまざまでした。そのため、従業員間のコミュニケーションや情報共有に課題を抱えており、事業会社間の距離や、本部と店舗間の情報伝達の遅延、お客様の声の収集不足など、さまざまな問題が横たわっていました。
「グループ全体で事業が異なる中で、人の交流が頻繁に行われるようになったにも関わらず、コミュニケーション基盤が整備されていませんでした。その結果、事業会社間に距離が生じ、横串のコミュニケーションが生まれにくい状況でした」と AOKIホールディングス デジタルサービス推進部の渡邊氏は当時を振り返ります。
特に、本部から店舗への指示は一方通行で、現場の実態を把握することが困難でした。「本部から店舗への指示が伝わっているかを確認する手段は、店舗を巡回して達成度を直接確認するしかありませんでした。また、お客様に近い現場の声を吸い上げることもできていませんでした」
そこで、AOKIホールディングスは Google Workspace を導入し、全従業員が単一のプラットフォーム上でコミュニケーションを図り、情報共有できる環境を構築しました。これにより、事業会社間の壁を取り払い、本部と店舗間の双方向コミュニケーションを実現しました。
Google Workspace の導入効果について、デジタルサービス推進部の橘川氏は次のように語ります。「15 年以上使い続けてきた既存のグループウェアからの移行に、当初は抵抗があるのではないかと懸念していました。しかし、導入は予想以上にスムーズに進み、むしろ変化を楽しんでいる従業員が多い印象です。段階的な導入やアンバサダー制度など、導入方法を工夫したことが功を奏したかもしれません。Google Workspace が直感的で操作しやすいツールであること、Gmail や Google ドライブなどを個人で利用している人も多く、ツール自体に親しみがあったこともスムーズな移行を後押ししたと考えています。先行して利用しているユーザーからは、新しい働き方が定着し、もう元には戻りたくないという声も聞かれます」。


Gemini で加速する業務効率化と創造性向上
AOKIホールディングスは、Google Workspace の導入に加え、Google Workspace with Gemini もいち早く導入しました。これにより、従業員の業務効率化と創造性向上に大きく貢献しています。
「本社で Google Workspace with Gemini のデモを見た時に衝撃を受けました。言葉を入力するだけで自社の情報が得られ、自分では言語化できないことも言語化してくれる。今までも AI サービスを使うことはありましたが、普段利用するグループウェアの中で完結し、自社のデータも活用できるのが Google Workspace with Gemini の大きなメリットだと感じています」とデジタルサービス推進部の橘川氏は語ります。
橘川氏自身、多忙でメール対応に追われる際、Google Workspace with Gemini を活用して返信期日が迫っているメールを抽出したり、要約を作成したりすることで業務効率化を実現しています。
その他にも、AOKIホールディングスでは、情報収集の迅速化、議事録作成の効率化など、さまざまな業務で Google Workspace with Gemini を活用しています。例えば、競合他社の販促情報を入力し、自社の強みを見出すマーケティング戦略への活用や、顧客接点におけるサービス向上のためのアイデア創出など、多岐にわたる業務で効果を発揮しています。
Chromebook で実現するセキュアでシームレスなワークスタイル
AOKIホールディングスは、Google Workspace と Google Workspace with Gemini の導入に加え、Chromebook を全社展開しました。これにより、セキュリティ リスクの低減、運用コストの削減、デバイス故障時における迅速な対応を実現しました。
渡邊氏は、 Chromebook 導入のメリットについて次のように説明しています。「以前の環境ではマルウェア感染のリスクがあり、OS の運用も複雑で、セキュリティパッチの配信などにも手間がかかっていました。 Chromebook はセキュリティソフトウェアのアドオンが不要で、セキュアな環境を手に入れることができ、運用負荷を大幅に軽減できました」。
また、橘川氏は Google Workspace と Chromebook を組み合わせた働き方のメリットについて、次のように述べています。「以前は、デスクトップにファイルを保存し、ローカルで作業するのが一般的でした。しかし、PC が故障するとデータが復旧できず、業務が停止してしまうリスクがありました。現在は、データがクラウド上にあるため、端末の故障によるデータ損失のリスクはありません。また、OS の中身も軽量なので、PC が故障した場合でも、すぐに代替機を提供できます。ユーザーとシステム管理者の双方にとってメリットのある構成になったと考えています」。
更なる進化への展望
AOKIホールディングスは、Google Workspace 、Google Workspace with Gemini 、Chromebook の導入により、社内コミュニケーションの活性化、業務効率の向上、顧客体験の向上といった大きな成果をあげました。今後は、これらのツールを更に活用し、新しい働き方や DX 推進を加速させていく予定です。
「 Google のツールはシンプルで使いやすく、従業員も抵抗なく新しいワークスタイルに移行できました。今後は、Google Cloud の機能も活用しつつ、マーケティング データの可視化や、EC サイトへの組み込み、季節性やトレンドなどを加味した服装の提案など、新たな領域にも挑戦していきたいです。これからも、新しいツールに挑戦することを恐れず、積極的に活用していくことで、更なる成長を目指します」と渡邊氏は今後の展望を語り、インタビューを締めくくりました。


株式会社AOKIホールディングス
AOKIホールディングスは、メンズ・レディスの衣料品及び服飾品の企画販売を行う「 AOKI 」を主力とする、持株会社です。グループ会社には、エンターテイメント事業の快活フロンティア・ランシステム、アニヴェルセル・ブライダル事業のアニヴェルセルなどがあります。
株式会社日立ソリューションズ
日立ソリューションズは、日立グループの IT 企業で、コンサルからシステム構築・運用まで幅広い IT サービスを提供しています。今回の Google Workspace の導入にあたって技術支援をいただきました。